Petrarca, F., Canzoniere

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緑の葉の間をささめきながら我が顔へ
打ち寄せてくる晴れやかな微風ラウラ
思い起こさせるのは,愛神がはじめて私に
深く甘美な痛手を負わせたときのこと.
4


かの婦人が私に隠し,「軽蔑」や「嫉妬」が
私を遠ざけるあの美しい顔,
またその時は解かれて,真珠や宝石に飾られた,
純金にも勝る金髪が我が目に浮かぶ.
8


その髪を微風がなびかせる優美さ,
またまとめ合わせる仕方の高雅さは,
思い返せば心が震えおののくほど.
11


やがて時はその髪を固い束縛へと縒り上げて
我が心を強い罠で縛りつけた.
そこから私を解放してくれるのはただ死のみであろう.
14


COM. ―― 2. 晴れやかな微風:L'aura serena. L'auraとLauraとの音の同一性に基づく暗示. 7f. 解かれて……金髪が:Cf. Rvf. 90, 1-2.

2017/07/21


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